CONTENTSこの記事の目次
記録の目的は、きれいな履歴を作ることではありません。次のトレーニングで迷う時間を減らし、同じ失敗を繰り返さないことです。週に一度、10分だけ記録を見返し、「続ける」「小さく変える」「回復を優先する」を決めます。
毎回、同じ項目を残す
比較に必要なのは、細かい日記より同じ形式です。種目、重量、回数、セット数に加え、セット終了時の余力と大きな違和感を残します。休憩時間が大きく変わる種目では、その時間も記録します。
「ベンチプレスを60kgで行った」だけでは、前回との差が分かりません。「60kg、8・8・7回、最後は余力1回、休憩2分」まで残せば、次回の判断が具体的になります。
週末に3つの質問をする
1. 続けるべきことは何か
回数や動作が安定して伸び、強い疲労が残っていないなら、計画を変えないことも進歩です。順調なときほど、新しい種目や方法を足しすぎないようにします。
2. ひとつだけ変えるなら何か
複数の条件を同時に変えると、何が影響したか分からなくなります。重量、セット数、種目、頻度のうち、優先順位が高いものをひとつ選びます。
3. 回復を優先する兆候はあるか
数回続けて回数が落ちる、普段と違う痛みがある、睡眠不足が続くなどが重なったら、セットを追加する前に回復条件を見直します。1回の不調だけで計画全体を否定しません。
セット数は条件をそろえて見る
週間セット数はトレーニング量を把握しやすい指標ですが、すべてのセットが同じではありません。ウォームアップと本セットを分け、可動域や余力が大きく違うセットを単純に足さない方が、変化を読みやすくなります。
2021年のシステマティックレビューでは、他の条件が同じで、6〜20回以上の反復範囲で限界または限界近くまで行う場合、総セット数は筋肥大のトレーニング量を表す実用的な方法になり得ると整理されています。だからこそ、記録にはセット数だけでなく、回数と余力も必要です。
次週の判断を1行にする
レビューの最後に、次週の方針を1行で書きます。
- 「スクワットは同じ重量で3セット。全セット10回できたら次回2.5kg上げる」
- 「背中の種目は変えず、睡眠が戻るまで1セット減らす」
- 「新しい種目は追加せず、休憩時間を2分にそろえる」
実行できる文章にすると、記録が意思決定につながります。1週間後は、その判断が正しかったかをもう一度記録で確かめます。
参考文献
- Baz-Valle E, et al. Total Number of Sets as a Training Volume Quantification Method for Muscle Hypertrophy. 2021.
- Schoenfeld BJ, et al. Resistance Training Recommendations to Maximize Muscle Hypertrophy in an Athletic Population. 2021.
- American College of Sports Medicine. Creating an Effective Resistance Training Plan. 2026.
記録は体調を理解する助けになりますが、診断の代わりにはなりません。続く痛みや体調不良は医療専門職へ相談してください。
