CONTENTSこの記事の目次
  1. 先に目的を決める
  2. ウォームアップで今日の重さを探す
  3. 「あと何回できたか」を残す
  4. 増やすのは重量だけではない
  5. 最低限の記録
  6. 参考文献

重量設定は、強い人の数字を借りることではありません。狙った回数を、同じ動作で、予定した余力を残して終えられる重さを探す作業です。最初の1回で当てる必要はなく、ウォームアップと記録を使って近づけます。

先に目的を決める

最大筋力を伸ばす練習では、重い負荷を扱う経験が重要です。筋肥大では、より広い負荷範囲が選択肢になります。2021年と2022年のメタ解析では、低負荷と高負荷で筋肥大に大きな差が見られない一方、高負荷は1RM向上で有利という結果が示されています。

「筋肉を大きくしたい」と「この種目で1回の最大重量を伸ばしたい」では、同じ日の同じ種目でも重量設定が変わり得ます。目的を混ぜず、その日の主目的をひとつ決めます。

ウォームアップで今日の重さを探す

最初から予定重量に飛びつかず、軽い重量から数段階で上げます。ウォームアップは疲れるまで行わず、可動域、痛み、動作の安定を確認します。

  1. 軽い重量で動作を確認する。
  2. 予定重量の手前で少ない回数を行う。
  3. 動作が安定し、痛みがなければ本セットへ進む。
  4. 予定回数を大きく外したら、次のセットで小さく調整する。

「あと何回できたか」を残す

同じ10回でも、限界だった10回と、あと5回できた10回では負荷の意味が違います。セット終了時に残っていた反復回数の見積もりをRIR(Repetitions in Reserve)として記録すると、重量と回数だけでは見えないきつさを残せます。

初めは正確に当てられなくても問題ありません。「余裕あり」「あと2回くらい」「限界」の3段階でも、毎回同じ基準で書く方が役立ちます。レビュー研究では、毎セットを瞬間的な筋力限界まで行うことが筋肥大に必須とは確認されていません。フォームを保ちやすい余力から始めます。

増やすのは重量だけではない

進歩は、プレートを足すことだけではありません。同じ重量で反復回数が増える、同じ回数を少ない疲労で行える、可動域が安定する、休憩時間をそろえられることも変化です。

例えば8〜12回を目安にするなら、すべての本セットで12回を安定して行えた後に、次回は最小単位だけ重量を上げます。回数が8回を下回ったら、その重量に慣れるまで続けるか、少し戻します。関節の痛みや急な動作の崩れは「頑張り不足」ではありません。セットを止める判断材料です。

最低限の記録

  • 種目名と器具
  • 本セットの重量・回数・セット数
  • セット終了時の余力
  • 休憩時間
  • 痛みや大きなフォーム変化

条件がそろうほど、前回との比較は正確になります。重量設定に迷ったら、新しい計算式を探す前に、直近2〜4回の記録を並べてください。

参考文献

  1. Carvalho L, et al. Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads. 2022.
  2. Lopez P, et al. Resistance Training Load Effects on Muscle Hypertrophy and Strength Gain. 2021.
  3. Refalo MC, et al. Influence of Resistance Training Proximity-to-Failure on Skeletal Muscle Hypertrophy. 2023.

運動中の鋭い痛み、しびれ、めまいなどがある場合は中止し、必要に応じて医療専門職へ相談してください。